LDKに捕らわれない

建売住宅やマンションで必ず表記されるLDK表示。戦後日本で作られた間取りの記号です。
住宅メーカーもこの間取り表記を採用したため、□LDK型の住宅は瞬く間に日本中に広まり現在に至ってます。部屋数をイメージするには容易な表記ですが、これがライフスタイルまで変えてしまったと言えます。
かつては夢のマイホームでの憧れだった□LDK型の住宅ですが、最近のライフスタイルの多様化やコロナ禍での生活変化に伴い、必ずしも誰にでも住みやすい間取りスタイルではなくなってきているといえます。特に最近は一人暮らしのシングルやふたり暮らしセカンドライフ、二世帯同居など家族構成が様々。家族毎の必要な□数もそれぞれですし、LDK といった生活場面別に分けた空間ですと不便なこともあります。□LDK型間取りの考え方は今まさに転換期なのかもしれません。家族にとって個室は必要か、リビングダイニングは分けて使うのか。自分なりの答えを出すには、LDKの常識にとらわれない自由な発想で間取りを考える必要があるかもしれません。 これから住み続ける住宅が家族のライフスタイルと本当に合致しているかが重要です。建売住宅を購入した方のご自宅に訪問すると、販売時のパンフレットで描かれた暮らし方をしていないことが多いです。□LDK型の間取りに当たり前のように捕らわれることは、豊かさをつぶした限られた空間になる可能性があるのかもしれません。